ビデオ撮影テクニック篇


3. つなぎ撮りの高等テクニック

ビデオのつなぎ撮りとは、あたかも編集したかのように無駄なく、テンポ良く撮影して、編集作業を省略または最少限にとどめる撮影テクニックです。結婚式のビデオでは、この方法が多く使われています。進行が定型化しており、展開があらかじめ分かっている場合には、きわめて有効です。予測できないものは、むずかしいですが、旅行記録など、意図的に作りこみながら撮影を進めることも可能です。

では、旅行の記録を例にして、撮影のポイントをご説明します。


<撮影総論>

1.起承転結をイメージして取りかかりましょう。ビデオのスタートとエンデイングの映像を決めます。スタートからエンディングにいたる、行事予定の確認やハプニングなどを想定しておきます。

2.場所移動の表現は、A.会場全景と名称看板など、B.会場に入っていく様子、C.会場内での出来事、D.会場を出る様子、E.移動の様子、以下A〜Eを繰り返して撮影する。移動が多すぎ、さほど重要でなければ移動シーンはカット。各項目の重要度に応じて撮影時間をおおまかに配分します。作品時間をあらかじめ決めておくと、テープを節約しながら撮影することになり、無駄な撮影をしなくなります。


<撮影の原則>

1.各カットの長さは5〜8秒程度を心がける。(演劇や演奏、会話の内容など連続性が重視される場合は別です。)

2.撮影中に会話や音を良く聞いて、音の切れ目でカメラをポーズします。
例えば、 a.会話の切れ目でポーズ、b.別の人の喋り出し直前で録画再スタート。または、え〜とか、う〜とか、ですからとか、接続詞の言葉尻から再スタートさせると撮影しやすいです。この場合、aの人が右を向いていたら、 bは左向きになるアングルから撮影すると、aさん,bさんが相対して会話している情景が成立。それぞれ別の場所での会話を交互に撮影するのも面白いです。こうした意図的な映像の作り込みをモンタージュと言い、映像制作の基本的な手法になっています。遊び感覚でトライしましょう。
また、音は撮影中、こまめにイヤホーンなどで確認しましょう。無音と音割れは救い難いミステークになりがちです。

3.全景や人物のフルショット(被写体の全体が画面に入りこむサイズ)のあとには、クロ−ズアップ映像をつなぐ。すなわち、広い映像-狭い映像(クロ−ズアップ映像)を繰り返す。または、別角度からの狭い映像を連続させます。広い映像は連続させないようにします。連続させると、場所がいきなりジャンプした感じになり違和感が生じます。

4.会場内全体や動いている被写体を撮影するために、左、叉は右にカメラをパーンさせる(カメラの中心を軸にして旋回させて撮影する方法)ことがありますが、戻りパーンはやめましょう。これは、監視カメラ的上塗りパーンと言って、極力避けたい撮影方法です。

5.場所移動はフレームイン・フレームアウトを使う。
画面の左側に人物をフレームアウトさせたら、つぎの場所では、画面の右側からフレームインさせます。方向性が一貫した分りやすい映像になります。その際、人物がフレームインする2〜3秒前から録画スタート。そして、被写体がフレーム内に入ったら、動きに合わせてカメラも平行移動叉はパーン。被写体の進行方向を広くあけましょう。進行前方6割(後方4割)以上。このようにカメラを一旦移動させたら、必ず3秒程度カメラの移動を止めてからポーズしましょう。 例. 人物移動の場合、フレームアウトさせて、約3秒後にポーズ。

6.カメラは意味なく動かさない。
画角固定で(すなわち三脚に固定してあるかのように)撮影します。三脚等にカメラを固定できればベスト。(ただし、手持ち移動撮影の効果をねらう場合は別です。)

7.ズームアップは多用しない。
手持ちカメラでのズームアップは、画面のブレが目立ちやすいので、ズームは多用せず、カメラマンが出来るだけ被写体に近付くか、三脚を利用しましょう。

8.カメラをズームしてクローズアップにしたら、ズームアウトはしないで一旦ポーズして撮影サイズを変えましょう。

9.人物撮影のポイント
人物の目が、画面の中央より上に位置するように撮影します
。どんなアングルでもこれを基本にすると安定した見やすい画面になります。頭がきれないように注意。
(ただし、顔のクローズアップの時、頭はきれます。その時も目の位置は中央から上です。)
顔全体を撮影する時は、必ず首も入れ込みます。首が切れているのをギロチンショットと言います。また、逆光で顔が暗くならないように注意。絞りを開けるか、照明を追加します。

10.カメラマンは常に先回りを。場所移動などで、人物を正面からとらえるには、常に先回りを。後ろ姿もたまには新鮮ですが、いつもでは見るのがつらいでしょう。
花嫁さんの後ろ姿は、大変喜ばれますが。。。

11.カメラによっては、電源を切ると映像が繋がらずに、映像の間に未記録部分(砂あらし)が入るものがあります。カメラのくせを事前に把握し、バッテリ−交換などで電源を切った場合には、直前のカット尻まで再生させ確認、ポーズした後、録画を開始しましょう。

12.ファインダ-で覗いた世界がビデオに記録されます。ファインダーの中の無駄な部分は極力カットしましょう。例えば、カメラが上や下に向き過ぎていて、画面の半分以上に天井や床、壁、空など、表現上無駄な物が多く入りすぎていないかを常にチェックしながら撮影しましょう。

13.撮影しそこなったら?
Step1. 仲間などで、再現可能なものはやらせで再撮影させてもらう。そのような撮影の旅も楽しいものです。

Step2. 重要なものは写真・絵ハガキやビデオなど替わりになる物を買うか、替わりの物を撮影しておきましょう。

Step3. あきらめて繋がりを考えて再スタート。くよくよせずに、後の撮影でリカバリーする。


14.撮影終了後は無音状態で10秒程度黒画面を撮影しておきましょう。(絞りを完全に絞ってしまうか、レンズキャップをすれば画面は黒になります。)映像が終った後、すぐに未記録部分(砂あらし)が出てきたのでは、作品仕立てには見えません。

15.同様にテープの先頭部分にも、無音状態で15秒程度黒画面を撮影しておきましょう。
コピ−時に先頭の映像がきれるのを防ぐことができます。タイトルを後で入れる場合には、30秒以上の黒画面を撮影しておきましょう。

16.現場で流れたBGMなどをメモしておき、後でBGMとタイトルを入れるだけで思い出の旅行記録ビデオ作品の出来上がり。ラストに写真などを音楽のテンポに合わせて挿入したら、家宝ビデオになることでしょう。

17.トライ・アンド・エラ-の繰り返しで上達します。エラー出来ない重要な撮影には、事前にトレーニングを済ませて臨みましょう。ビデオ記録は写真同様、参加者の楽しみのひとつです。万全の体制で取り組みたいところです。。。。

次を見る<良いカメラアングルのための ポジション争奪戦>

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