WYNTON'S HOUSE
TOKYO

 実用 なるほどビデオ撮影テクニック講座 テクニック篇 2(3/12)

撮影には光とすばやいひらめきとアクションが不可欠のお話

ホワイトバランスのお話

光には色がついています。光の色に合わせてビデオカメラは色のバランスを整えますが、これをホワイトバランスといいます。

光はその波長によって色が異なります。たとえば、日中の太陽光はブルー、室内灯は黄色という具合に。(Jet機や高層ビルから見る夜景のオレンジ色などを想い出して下さい。)

ビデオカメラには、オ-トホワイトバランス機能がついていますが、これはレンズに入る白い色の物に当たっている光りにカメラの色バランスを自動的に合わせてくれるものですが、正確ではないので思いのほか画面が妙に黄色っぽかったりします。撮影の都度、画面全体に白い物を入れ込んで、手動でホワイトバランスをとって下さい。これだけで、現実の色合いに近い、かなりきれいな映像になります。

ただし、撮影する場所が意図的に、部屋全体を赤っぽく照明しているところでホワイトバランスをとると、色は反対色に変ります。すなわち、青っぽくなってしまいます。現場の色合いが出ていない映像になってしまいます。これを防ぐには、専門的にやるなら、白い物に同じタイプの照明(同じ波長の光を発する白色の照明)を当ててホワイトバランスをとります。たとえば、ステージの撮影なら、ステージ上の白い光があたっている白い物(無彩色なら可)を探してホワイトバランスをとります。
パーティーでしたら、色が白に近い照明をさがしてその光りでホワイトバランスをとります。
白い光りとは、無色の光りと理解して下さい。たとえば、白いテーブルクロスが、白く見えていればそれをカメラでねらってホワイトバランスをとります。このとき、白いテーブルクロスが赤っぽかったりしていたら、ビデオの映像は全体的に青っぽくなります。逆に、白いテーブルクロスが青っぽかったりしたら、ビデオの色の映像は全体的に赤っぽくなります。
こうした準備は、本番が始まる前に行っておきます。まよったら、ビデオカメラに室内、屋外といった撮影条件の切り替えができる機能があれば、それにたよって下さい。
ステージ等で、全体の照明の色あいが常に変る場合、オートホワイトバランスで撮影したら、照明が変るたびに色が反対色に変るという、へんてこな色あいのビデオになってしまいます。

被写体をきれいにとるには

撮影したビデオを見ると顔が真っ黒だったりして、がっかりした方も多いでしょう。 これは、被写体の背景の明るさにビデオカメラの絞りが合ってしまっているために、このような映像になります。被写体をシルエットで撮影したい場合はよいのですが、せっかく記録したビデオ映像のすべてがこのようになっていたとしら....気持ちも暗くなってしまいますね。そうならないための方法をご紹介します。

Step 1.自動絞り機能は使わない。すべて手動で絞りを補正する。

その撮影練習をしましょう。

ご家族や友人を窓際に立たせて(人手がなければ物でも可)、手動で絞りを開けて撮影してみて下さい。この場合、ビデオカメラの映像出力端子からピンコードをテレビにつないでモニターしながら撮影すると、その場で確認できるので、分かりやすくなります。 最近のビデオカメラの感度は向上していますので、これでも充分撮影できるものが多いのですが、それでも暗いなと感じたら照明を追加します。とりあえず、なんでもよいですから、被写体が明るくなるまで光をあててみてください。家中にある照明器具を駆使してください。 それでも足りないなと感じたら、電気屋さんに行って150Wから300Wくらいのビデオ撮影用ハロゲンライトと指定して買ってきて同じように試して下さい。その際、ライトは高熱になりますので絶対に素手で触らないでください。やけどをします。

その映像の色合いを比較してみてください。窓の外は青っぽく、室内の人物は赤っぽくなっているはずです。青色の厚手のセロファン紙などをライトにつければ外の青い色調に合わせることができます。ただしセロファン紙は燃えやすいのでご注意を。ビデオ撮影用ハロゲンライトを買う際に、専用の屋外光用の専用フィルターも買っておくと便利です。

さてここまでやった方は、その気になればプロの世界で勉強できる素養があることを保証いたします。この実験を通じて、撮影には被写体に充分な光が不可欠であることが認識できます。ますます映像のおもしろさを感じられると思います。

Step 2. 順光で撮影する

撮影する人側(ビデオカメラ側)から被写体に光が当たるようにします。すなわち、順光で撮影します
(被写体の後方から光が当たる場合を逆光といいます。)

そんなこと言ったって必ずしも順光にならないよ、と言わないで下さい。

すなわち、動かせば、あるいは自分が動けばそれは可能ですね。被写体に動いてもらうか、(あるいは動かすか、)カメラマンが動くのです。又は、照明を追加または移動して順光状態にします。(映画のロケなどでレフ板などを使用するのもその上手なやりかたの例です。)

カメラマンには、すばやい判断力と俊敏な動き、さらに被写体を動かすコミュニケ−ション能力が必要です。撮影中に、『暗いな、どうしようか?』などと迷っていては、撮影すべきイベントが終わってしまったり、絶好の被写体を撮りそこないます。そうならないために、事前に順光位置にカメラを設置するとか、お友達に照明の係りをお願いするのです。そうした行動が出来るようになるためにも、事前の経験すなわちトレーニングが不可欠です。

ですから、あなたがビデオカメラで撮影する担当に運良くなってしまったら、是非、ここはラッキーとばかりに、事前にビデオカメラを借りてでも、上記のトレーニングをしてみて下さい。

ビデオカメラマンとしての明るい未来と明るい鮮明な映像がそこにはあることでしょう。

(余談ですが、被写体を立体感のある映像で記録するためには、単に順光だけでなく、逆方向からの光やレンブラント光と言って45度の角度からの光が重要です。レンブラント光は、画家のレンブラントの名前からきています。)つぎは撮影テクニック'(3)をご紹介してまいります。