WYNTON'S HOUSE
TOKYO

 実用 なるほどビデオ撮影テクニック講座 エトセトラ篇 2(8/12)

大事なビデオ撮影素材(ビデオテープ)管理の話

撮影済みのビデオテープの管理は、なおざりに出来ない大事なテーマです。ビデオ撮影素材は、ソフトとハードの両面で管理する必要があります。ソフト面では、収録したビデオ画像がどのビデオテープのどの位置にあるのかが、分かるようにしておくこと。ハード面では、記録済みのビデオテープが消失したり、塵やほこり、カビなどでノイズが出ないように管理することです。 今回は、この二面から大事なビデオ撮影素材の管理について考えていきます。

1.収録した画像がどのテープのどの位置にあるのかが、分かるようにする方法について

『学芸会のビデオは、どこに入っていたっけ??』
『たしか、運動会の2本目のビデオテープの後ろに撮影したのよね..??』...といった、会話をした経験はおありでしょうか?

ビデオ撮影を重ねていくと、何時、どこで、何を撮影したかを記憶にだけ頼るのは、無理な話しです。撮影しっぱなしになる可能性が大です。何故かといえば、素材探しが面倒になり、見ない状態に陥りやすくなるからです。撮影した後、すぐ見れるのは、ビデオ撮影の一つの利点で楽しみの一つですが、撮影素材は作品に生かされてこそ、その真価を発揮します。検索効率の点からも、1本のビデオテープの中に、別テーマの素材を収録するのは、極力避けるほうが良いと思います。1テーマ、1イヴェントのみを同一テープに収録しましょう。

ビデオの背ラベルには、撮影日、イヴェント名、ロールナンバー(複数本ある場合)などを見やすく書いて、ビデオ保管の定位置化をはかりましょう。撮影日順に並べておくと、取り出し易く、また収容時に元の場所に容易に戻せ、管理が楽でしょう。(定位置化の場所は、塵やほこり、温度変化の少ない場所を選びましょう。)

また、撮影メモやノート、イヴェントプログラム等を素材リストに転用することをおすすめします。撮影しながら、以下のような撮影カット表が記録できればベストですが、仕事で撮影する場合はともかく、個人記録の場合、なかなか面倒かと思います。

撮影カット表

ビデオテープに何が記録されているのかを、簡潔にメモします。例えば、『XX年XX月XX日、XX旅行自宅出発〜新幹線〜XX駅到着まで。。』というように、1〜2行でメモをしておき、これをビデオテープに付けて保管します。このメモは、後日ではなく、撮影したその時、撮影当日に書いてしまいましょう。何故なら、後日書こうとすると、思い出すのに一苦労しますし、面倒になるからです。撮影時にメモり、それをビデオに付けて保存する。簡単なことです。また、運動会や演奏会のプログラムがあれば、各催しのところに撮影日や撮影順、ロールナンバーなどを直接記入しておくと便利です。後日の記念に一部、ビデオ撮影のメモ用にもう一部、計2部、プログラム等をもらうようにしましょう。ビデオ撮影のメモ書きが大きく、ビデオテープに添付して保存できない場合、専用ファイルを作り、日付け順に綴じて保存しましょう。その専用ファイルは、見出しを明記して、ビデオ保管庫の近くで保存しましょう。

DVテープのメモリー機能も活用しましょう。 メモリー機能付きDVテープには、撮影データを挿入できます。ビデオカメラの内蔵時計は、正しくセットしておきましょう。

2. 記録済みのビデオテープが消失したり、塵やほこり、カビ等でノイズが出ないように管理する方法について。

記録内容を保護する

撮影済みのビデオテープをデッキに挿入する際、または取り出し時等に、ビデオテープがぐしゃぐしゃになってしまったり、切れてしまった経験はありませんか??それが唯一の記念ビデオだったりして....こうした悲劇を防ぐ方法の御紹介です。

  1. 大事なビデオは、最初に見る時にコピーを作り、別々の場所に保管する。(火事になっても大丈夫です。)
  2. 業者依頼の場合、大事なビデオやDVDなどは、あらかじめ2点注文する。
  3. 撮影時に2台のビデオを回す。(DVカメラなら、i-linkケーブルで同じものを別DVビデオカメラにコピーしながら収録することが出来ます。)
  4. 異音がするビデオデッキには、大事なビデオテープをいきなり挿入しない。(切れてもいいテープを入れて動作を確認したうえで使用する。)また、ビデオテープがたるんでいる状態で、ビデオデッキに挿入しない。
  5. ビデオデッキからビデオテープを取り出す際には、ビデオ先頭まで巻き戻してから取り出す。
  6. ビデオデッキの連続操作をしない。(たとえば、巻き戻し〜ストップ〜取り出しボタンを一気に押す等しない。テープと機械の動作が確実に止まってから、取り出しボタンを押しましょう。)
  7. 撮影済みビデオテープは、即、録画禁止用の爪を折り、内容を書いたラベルをきちんと貼っておく。(上書き記録するトラブルを防ぎます。)また、磁気を発するものに近ずけない。

(万一、ビデオテープが切れたら、慎重にビデオテープを取り扱い、ぐしゃぐしゃ部分を除去して、別リールに移し替えることにより、大事なビデオテープが救われる場合があります。この場合、最初の再生時に複製を作ることは言うまでもありません。)

ポイントは、『ダブル』です。まかせて安心の業者の多くは、同じテープを同時に2本作ります。(実は、ビデオテープは倍使用し、ビデオヘッドも倍回転していることになります。しかも、業務用の高価な機材ですから、安心できる業者の撮影、制作費用はどうしてもかかるものではあります。)

塵やほこり&カビ対策

塵やほこりが付着し、結露等で湿気が伴うとカビが発生します。窓際、部屋の上部、下部など、温度変化が著しい場所では、ビデオテープを保管しないようにします。また、塵やほこりの侵入がより少ない入れ物やキャビネットを選びましょう。木くず、紙くず、金属くず、生活の埃、タバコの煙りなどが、より侵入しない入れ物と位置を選びましょう。ビデオテープは、専用ケースに入れて立てて保管します。ケースは、蓋式のものが塵やほこりの侵入を防ぐ点で、よりベターです。大量市販されている、PPケースのVHSケースは、ほこりが入りやすいので、万全にするなら、蓋式のケースに入れ替えましょう。また、ポリエチレンの薄手のキッチンパックに入れて輪ゴムで封をするだけでも、かなりのほこり防止に役立ちます。ただし、温暖差の激しい場所の保管では、結露で湿気を封じ込めることにもなるので、注意は必要です。費用はかさみますが、専用真空ケースも販売されています。

ポイントは、『蓋つき(ビデオケース&収容キャビネット等)』です。

DVミニビデオのサイズは、VHSビデオの約1/6以下で、運搬にも保管にも省スペースとなっています。昔よりも気軽に撮影できる条件が整ってきました。小さなぶん、紛失しやすく、テープのトラブルでは、回復しにくいのも事実です。これまでの解説・紹介が多少なりとも、初めてビデオ撮影に携わる方々の参考になれば、この上ない幸せです。本シリーズを、お読みいただきありがとうございました。つぎはピアノ発表会(1)をご紹介してまいります。